山村塾(こめづくり もりづくり ひとづくり)

ウッドボイラー以外の給湯手段と両立させて、快適な暮らし実現。

福岡県八女市で、林業・農業を営む、宮園管雄さん。現在、自宅でウッドボイラー(N-220NSB)を導入し、生活に役立てています。主に給湯で使っているそうですが、灯油のボイラーと太陽熱温水器も併用し、季節や気候によって使い分けることもあるよう。日常生活でどのようにウッドボイラーをどのように効率的に動かしているかをお聞きしました。

 

ウッドボイラーと一緒に、灯油ボイラーや太陽熱温水器併用で効率よく。

宮園さんは2018年、山村塾からの納品でウッドボイラーを導入しました。きっかけとなったのは、自宅のお風呂の改装。ずっと使っていた五右衛門風呂の調子が悪くなり、浴槽を新しくするとともに、ウッドボイラーを入れることになったそうです。

 

導入から5年過ぎますが、現在も問題なく稼働しています。ただ、ウッドボイラーだけではなく、灯油のボイラー、太陽熱温水器の3つを上手に使い分けてエネルギー供給しているようです。どのように使い分けたり、併用したりしているのでしょうか?

 

「うちではお風呂や洗面の給湯で使っていますが、灯油ボイラーのほうは瞬間湯沸かしとして、さらにウッドボイラーでも沸かしてと二重で使っています。夏は太陽熱温水器の力で80度〜100度くらいまで上がるので、ウッドボイラーはほとんど使っていないですね」。

 

ウッドボイラーの出番は主に秋から冬、春にかけて。雨の日など、太陽光が出ていないときも、使うそうです。

 

「ウッドボイラーは保温性も高い。夕方5時に火をつけたら7時には100度に上がっていて、一晩持ちます。翌朝6時でもまだ温かで余熱がある。冬はほとんどウッドボイラーでしのいでいますね。太陽熱温水器には保温性はないのでね」。

 

ウッドボイラーが燃えている間は、ほんのりと暖かいよと宮園さんは微笑みます。構造的にも危険はないので安心とのことで、自然に生活に馴染んでいるようです。

 

薪が燃える自然な香りに癒されて。「若い世代がどんどん導入してくれたら」。

毎日当たり前にウッドボイラーを稼働させている宮園さんは、「やっぱり便利だよね」と話します。「灯油ボイラーとの併用ではあるけど、ウッドボイラーで沸かすといいお湯が出るし」と。

 

林業で日常的に山に入る宮園さんにとっては、薪も自然に集まるので山のお掃除ができることもいいと言います。「山もきれいになるしね。使い古した竹の支柱なども燃やせるから」。

 

自然の中で育まれた薪や木くず、葉っぱの匂いが燃える様子はとても気持ちいいとか。

「自然の香りはいいね。シャンとするよ」とニコニコ。

 

宮園さんがウッドボイラーに火をつける様子も見せてもらいました。焚口を開けて、最初に入れるのは、葉っぱ、そして竹と重ね、薪を入れて燃やしていきます。

「杉、竹や、雑木のちょっと腐ったものがよく燃えるよ。竹もちょっと古いのを選ぶといい」とのアドバイスも。

林業・農業を行う宮園さんにとっては、自然に薪も集まるのでウッドボイラーはうってつけだったよう。

「薪を燃やして稼働させるものだから、やっぱり薪が手に入りやすい人におすすめだね。林業とか。でも今後は特に若い人に使ってほしい。環境を考えている人なら多少無理してもいいけどね。ほかにも、製材所や工務店など、端材が手に入る人にもいいと思います」。

森に関わるほか、製材などを扱う若い人が、今後どんどんウッドボイラーを使っていってくれたらと、話してくれました。

 

 


取材・執筆・撮影:奥野 妙子(プロボノライター)